日本よりも日本的だったロンドンの職場環境

私がロンドンで働いたのは1990年代のことで、その後外国人の働く環境はかなり変わったと思いますが、当時でも正規に就労ビザを取得して就職するのは至難の業でした。

現地の大学に留学して学位を取得しそのまま就職を目指したので、日本の企業から派遣されるよりもさらに条件が厳しく、100社をゆうに超える様々な国籍の会社に応募し、数々の面接を受けましたが、結局日本の会社に拾ってもらい、大学を卒業後さらに学生ビザを一年延長して、ようやく就労ビザを取得することができました。

就労ビザは労働者ではなく雇い主である会社に申請してもらわなければならないので、当然仕事を選ぶ権利は労働者にはなく、クビになったら即帰国です。そのような環境で生活するのは、普段意識してはいないのですがかなりのストレスがかかります。

給料は年俸制で、ボーナスもベアも年功序列もなく、自分で仕事の成果を出して上司にアピールし、年俸アップを交渉しなければ額面はずっと変わりません。

そんな英国式労働条件にもかかわらず、ロンドンで暮らす数万人および旅行で英国を訪れる日本人という狭い世界が相手の仕事なので、職場環境は極めて日本的で、人間関係を平和的に維持するにはある意味日本よりも気を遣いました。

しかしその数万人の日本人の中には、日本社会がぎゅっと凝縮されているため、日本で普通に暮らしていたら絶対にお目にかかれないような、いろんな意味で凄い人々とめぐり合うチャンスがごろごろしており、それが何より貴重な体験だったと思います。

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